2009/10/23

Image d'Epinal


お店の包装紙をご存知ですか?
エピナル版画を利用したものです。マダムが包装紙にしたのはその中でも「Devinette」と呼ばれるシリーズのものです。「Devinette」とは日本語に訳すと「なぞなぞ」。絵の周辺に質問が書いてあり、その答えになる絵を
探さなければいけません。いわゆるだまし絵のようなものです。
きっとマダムと一緒に絵探しをされた方が、何人もいらっしゃるのではない
でしょうか?
左の絵が私たちがよく見本にお見せするものです。

ここで一緒に絵探しをしてみませんか?
タバコを吸っている男性がいますね。
ではタバコを吸ってない人を探して下さい。よく絵をご覧下さい。どうですか?わかりましたか?
答えは煙の部分が人の顔になっていますよ!
それでもお分かりにならない方は、お店にお越し下さいませ。

今回はそのエピナル版画の歴史を紹介します。

1796年、エピナルという町にJean-Charles Pellerinによって創業されたPellerin社。
当初は木版画で色も使用されず、民衆版画だったようです。名もない職人達によって作られていました。
1820年、リトグラフに変更することにより、色彩豊かになり、印刷部数も増え、フランス国内に知れ渡りました。
1984年、Pellerin社は破産申請をしました。
しかし、エピナル版画と共に育った実業家たちが、このような文化遺産をなくしてしまうのは惜しいと、工場を買い取りました。そして現在の株式会社Imagerie d'Epinalが発足しました。

フランス語で"image d'épinal"という言い回しがあります。
それは単純、素朴という意味です。金太郎飴のように同じ絵がたくさん
刷られ、世の中に出回ったことが由来のようです。
そして、もうひとつのご紹介する言い回しは"sage comme une image"、とてもおとなしい、賢明なという意味。

この会社の歴史を調べているうちに日本とのつながりを見つけました。
1869年に出た作者不明の"Le chien du Japon"「日本の犬」は日本の「花咲爺さん」のお話。
1906年に出た9枚の日本シリーズの漫画には"Shidari-kiki"というサインが見られます。それは「江戸っ子のフランス人」と称していた「左利き」の
画家Georges Ferdinand Bigotの作品です。彼は1882年から1899年まで日本に住んでいました。
今年の夏、東京で彼の展覧会が催されたようなので、ご覧になられた方も
いらっしゃると思います。彼に関しては本も出ているようですね。興味のある方はいかがですか?

「フランスの浮世絵師ビゴー」及川茂著

フランスではなかなか手に入りそうにないので、私は次回帰国した際にでも
チェックしてみることにしてみます。


Imagerie d'Epinal
42 bis quai de dogneville
88000 Epinal
03.29.34.21.87

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2009/10/20

Bonnat

Salon du Chocolatの最終日であった日曜日。マダムと一緒に行ってきました。
日頃お世話になっている職人さんにお会い出来、さらに新作を味見させて頂いたりで、大満足の一日でした。
でもチョコレートは食べ過ぎると、かなり辛いですね・・・
皆さん、食べ過ぎにはご注意!!!

今日は老舗のBonnatを紹介します。

1884年Félix Bonnatによって
創業。
1904年から1種類のカカオ豆を
利用してのチョコレートを製造開始。
1983年から産地別のチョコレート
製造開始。

使用されるカカオは全て契約農家から買い付け、自家焙煎し、チョコレートにしています。さらに以前と変わらず、香料、レシチンを一切利用せずに昔ながらの製法で作っています。

お店ではBonnat社の10種類以上の板チョコを販売しています。
以前ミルクチョコレート2種類を紹介しました。それにしてもカラフルなパッケージの色に惹かれてしまいませんか?

近いうちに他のチョコレートも紹介したいと思います。
まだ試作段階のチョコレートを試食させて頂きましたが、とても美味しいものでした。それが公表され次第、入荷する予定です。

いつかチョコレート好きの人集めて、全て少しずつ試食して、味比べを出来ないかしら?と思ってしまいます。1種類だけ食べても、なかなか味の違いが分かりにくいのです。

今回「カカオのことを一から勉強したい」と思わされる出会いもあり、
とても充実したサロン・ド・ショコラでした。行かれた皆さんはいかがでしたか?
日本で行く予定の方もいらっしゃいますよね。その方々はもうしばらくの我慢ですね。

2009/10/18

年末年始の営業

メールで年末年始のお問い合わせを頂きました。

今年の年末年始の営業は、どうなるかはっきりまだ決まっていません。
でも大体去年と同じだと思いますので、去年の状況をお伝えします。

12月中旬から12月24日まで、月曜日も朝から営業しました。
25日は半日営業。人が少なければ、すぐに閉めたようです。私は働きませんでした。
26日から31日までは通常営業。つまり、日曜日はお休みで、月曜日は15時から。
1月1日は午後から2,3時間ほど、営業し、閉めたようです。
2日から通常営業。

こちらは日本と違い、お正月休みがありません。
その代わり、クリスマス休暇をとるお店もあるようですが、チョコレートは繁盛期なので、私たちは営業します。

今年の営業状況は分かり次第、こちらでお知らせしますね。

2009/10/17

Fabrice Gillotte

ついにお気に入りのチョコレート職人の紹介です。ディジョンのFabrice Gillotteです。
パティシエの父を持つ彼は16歳で、
この世界に入り、両親がコンフィズリーにしていたお店をチョコレートを主にするお店に変更しました。

1990年、MOF賞を若干26歳で獲得。
その後、数々の賞をフランス国内で獲得しています。日本のサロン・ド・ショコラにも2年連続で参加し、好評を得ているようです。

彼のチョコレートはどれを食べてもほぼ間違いなしです。

今日入荷した彼のチョコレートを見つめていたのが、マダムに見つかってしまったのか、「新鮮なチョコレートの味見をしてみたい?」と。遠慮なく少し惹かれていた「Tonka」を選びました。

トンカ豆をご存知ですか?
中南米の豆で、「クマリン」という香り成分を含んでいて、普通は香水の香り付けに使われているものです。

どんな香りがすると思いますか?
一般的には、シナモン、アーモンド、八角、バニラのような香りがすると
いわれています。
桜の葉にもクマリンが入っていることから、少し桜餅のような香りがすると言った
方が、日本人の方には分かりやすいかもしれませんね。

Bernad Dufouxのチョコレートの中にもTonkaを入荷していたので、味比べを
させてもらいました。すると彼のものはジロットのものよりも少し控えめです。
香りがあまり強くない方が好きな方はこちらの方が良いかも知れませんが、
私はジロットのものが好みでした。




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2009/10/15

チョコレート職人のリスト

昨日からSalon du chocolatが始まりました。
フランスでは先週から、ネット、雑誌や無料の新聞にチョコレートの記事が多く
掲載されています。

その中で私が見つけた情報。
Les meilleurs chocolatiers de France en 2009
2009年のフランス国内の100人の優秀なチョコレート職人が選ばれています。
少しだけチョコレートの紹介がされていて、コメントも書かれています。

その中で一番に選ばれているFabrice Gillotte。
まだ紹介をしていませんが、彼のチョコレート置いています。
私は彼のチョコレートがかなり好きです。

近いうちに彼のチョコレートも紹介しますね。

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2009/10/12

Moulin Rouge


お店に来て頂くための目印は
ムーラン・ルージュ。
今年はムーラン・ルージュ誕生120周年という記事を目にしました。

1889年10月6日
フランス革命100周年を記念するパリ万博の開催された年。Josephe OllerとCharles Zidierによって、ムーラン・ルージュは誕生しました。

オープン初日から満員御礼となり、いろんな階級の人々で賑わっていたそうです。
観客の楽しみは毎晩10時に始まるフレンチカンカン
スカートを持ち上げ、脚を高く垂直に上げ、観客に美脚を見せながら、音を立てて踊るダンサー。彼女達の中にはその美脚に高額の保険をかけていた人も・・・

1891年、画家Toulouse-Lautrecによって描かれた、La Goulueのポスター。
彼はムーラン・ルージュの踊り子達に魅せられ、頻繁に通い、愛情を込めて、
ポスターを描いていたそうです。
そんな彼のお陰で、ムーラン・ルージュはより一層、人気になったと言われて
います。

今でもムーラン・ルージュの中には彼の絵が多く飾られ、キャバレーでありながら、美術館のようになっています。私はまだ行ったことがないので、見たことが
ないのですが・・・

ムーラン・ルージュには著名人も多く訪れています。
現在は観客の半分が観光客で、主に中国人、アメリカ人、ロシア人、スペイン人とのこと。

毎日見ている「赤い風車」の中に、一度は私も入ってみたい。
皆さんはもうフレンチ・カンカンをご覧になられましたか?
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2009/10/11

Spécialités du Berry


以前に紹介したForestinesが詰め合わせとして入っている缶を紹介します。

Spécialité du Berryという名前のものです。
写真を見て、何か思い出しませんか?ちょっと子供の頃の宝箱のようではない
でしょうか?
私はビー玉、貝殻など綺麗な物を見つけると、空き箱や缶に大事に取って
いました。

Forestines以外に何が入っているのかを紹介しますね。

Rechelieu : ヌガチーヌの中にピスタチオ味のマジパン
Amandine : ヌガチーヌの中にアーモンドのプラリネ
Châtaignes : カリッとした薄いキャラメルの中に栗味のアーモンドクリーム
Noisettes : ヌガチーヌの中にアーモンドとヘーゼルナッツのプラリネ 
*ヌガチーヌとは砂糖をカラメル状になるまで煮詰めて、アーモンドを加えたもの

いろんな味がひとつの缶で楽しめるので、私は先日、日本の友達へプレゼント
しました。
とても喜んでもらえましたよ!
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2009/10/09

Chez Bogato


ちょっとお菓子の話は休憩して、パリのお菓子屋さんの紹介です。

最近フランス国内外で、注目されているお店「Chez Bogato」です。
普通のケーキ屋さんとは違い、子供をターゲットにお菓子を作り始めた
ようです。
子供向けと聞くと、ショートケーキの上にキャラクターの絵が描いてある様な
ケーキを思い浮かべてしまいませんか?

さすがフランス!
子供向けといえど、馬鹿に出来ません。かなり手が凝っています!
大人の方のためのケーキの注文も増えているようです。

先日フランスの雑誌L'Expressのサイトで偶然見つけた動画をどうぞご覧下さい。
http://www.lexpress.fr/styles/saveurs/les-desserts-rigolos-de-bogato_789725.html

店内はお菓子だけではなく、可愛い雑貨も販売しています。
Chez Bogato
7 rue Liancourt
75014 Paris
09.61.05.04.00

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2009/10/07

Kalouga (Bernachon)


ベルナッションの板チョコで一番人気なKalouga(カルーガ)をもう試され
ましたか?
アメリカ人のお客さんはこれを目指して来る方が大半です。
なぜなら、英語圏のお客さんに有名なDavid Lebovitzがブログで紹介してるからです。

カカオ62%のチョコレートの中にはバニラビーンズがしっかりと入ったやわらかい塩バターキャラメルが入っています。
今回は簡単に割れるものかを確かめるために、手で割ってみました。


簡単に割れましたよ!
薄いチョコレートの中にはたっぷりキャラメルが入っています。
食べ始めると止められないかもしれませんが、これはかなりカロリーが高そうですので、ご注意下さい。

ベルナッションの板チョコは普通のものよりも大きく1枚150gで、少しお荷物になるのが気になりますか?
それともこの美味しさに負けて、重量は気にならないでしょうか?

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2009/10/04

Praslins (Pralines) à Montargis

ちょっと豪華に見える金色の素敵な缶。
ご存知の方も多いと思います。

日本ではプラリネと呼ばれていますが、フランス語では「プラリーヌ」
アーモンドをローストし、砂糖を絡めて、カラメル化させたものです。

このお菓子の歴史はどうもはっきりとしていないようですが、一般的には
17世紀につくられたものだと言われているようです。

Plessis-Plaslin公爵のお抱え料理人であったClément JaluzotまたはClément Lassagne(名前がはっきりとわからないようです)の見習いがへまをしたことから出来たお菓子。

アーモンドを利用したデザートを作ろうとしていたある日、見習い君は誤ってを
蜂蜜が煮立った鍋の中にアーモンドを
ひっくり返してしまいました。Clémentは怒りながらも新たなものを作る時間が無かったので、公爵に出したところ、好評を得ました。そのことから、このお菓子の名前をPraslinesと名づけました。1680年に現在の「Pralines」に綴りが変わったようです。
Léon MazetがClémentのお店を買い取ったのが1902年。
現在のMazet社の歴史は100年以上もあるということが分かりますね。歴史を踏まえて、もう一度缶を見て頂くと、
なるほど煌びやかな缶のはずだと納得するのではないでしょうか?

香ばしいこのアーモンドのお菓子の断面図を見て下さい。しっかりとカラメルコーティングされています。食感的にはガリガリとしたものです。
パリの路地の屋台で売っているプラリネとは、ずいぶんとお味が違います!
是非、本物のプラリネを一度お試し下さいませ。


参考サイト: Terroir de France


2009/10/03

Les bergamote de Nancy

ベルガモットをご存知ですか?
イタリア原産の柑橘系の果物で、生食には向かず、
主に精油として利用されています。アールグレーの
紅茶の香り付けに使用されていると言えば、きっと分かって頂けると思います。

1750年代から、ベルガモットは王家で利用されていました。ベルガモットキャンディーは特にロレーヌ公であったスタニスラスのお気に入りだったようです。
ここで、彼の歴史の話をすると長くなってしまうので、興味のある方はスタニスラスをクリックして見て下さい。

1857年にGodefroyという菓子職人によって、ベルガモットはナンシーの名物になり、市民の食べ物にもなりました。

このベルガモットキャンディーを作ることが出来るのはナンシーで3軒だけです。その中の1軒にあたるMaison des Soeurs Macaronのものを私達は販売しています。

実はこのお店はナンシーのマカロンで
有名なお店です。
シスター2人が始めたお店で、パリの
マカロンとは違い、クリームが中には
挟まれておらず、表面にひび割れがあり、カリカリとしており、なかはふんわり。
冷蔵庫で保存しなければいけないので、残念ながら私達は販売しておりません。デニスおばさんがご自分用に
注文したものを、私は何度かご相伴に預かりましたが、私はパリのマカロンよりもこちらの方がシンプルで好みかもしれません。

ベルガモットキャンディーの話に戻ります。
2種類の大きさの缶を取り扱って
います。四角い缶のものは個包装されていますが、小さい丸い缶はバラで入っています。

アールグレーの紅茶がお好きな方は、ちょっと癖になるアメかもしれません。