クリスマスのお菓子「13のデザート」として、カリソンの名前を紹介しただけで、詳しくお話していなかったので、今回はカリソンを取り上げます。
15世紀頃から作られているこのお菓子は南仏エクス=サン=プロヴァンスの
銘菓です。
細かく砕いたアーモンドとメロンの砂糖漬けをペースト状にして練り合わせ、表面にグラスロワイヤル(いわゆるアイシングです。粉砂糖を卵白とレモン汁で混ぜ合わせたもの)で覆ったお菓子です。下に敷いてあるものはpain azyme と
いうイーストを使用しないパンでウエハースのようなものです。一般にはヌガーの下に敷かれているものと同様です。日本では手に入りにくいものですよね。
フランスのレシピによると、ライスペーパーで代用可となっていました。
お店によっては、味と香りを引き立たせるためにオレンジ水、オレンジピールなどを加えています。
アーモンドの含有量が多いほど、カリソンの値段は高くなります。
さらにカリソンは作るのに時間の掛かるお菓子です。パティシエとして働いた最初のお店では作っていました。あの頃は(13年ほど前!?もうそんなに・・・
恐ろしい)カリソンを販売している所はほとんどありませんでした。
レシピをネットで探してみましたが、日本語でのレシピはあまりないようですね。
フランス語でも探してみました。基本に忠実のようなレシピをふたつこちらにリンクしておきますね。
http://www.aftouch-cuisine.com/recette/calissons-698.htm
http://www.cuisineaz.com/recettes/calissons-d-aix-49514.aspx
名前の由来がはっきりとしていないようで、主に2つの説があります。
- 1454年、ルネ・ダンジュの後妻ジャンヌ・ド・ラヴァルは普段笑わないことで有名でした。結婚式の当日、お祝い用に宮廷パティシエが作ったこのお菓子を食べ、笑顔になりました。すると側近にうちの一人が「di calins soun (ce sont des câlins)」、このお菓子はCalin(口の上手い人)のようだと言ったが名前の由来。
- 1630年ペスト回避の誓言を記念し、毎年9月1日にNotre-Dame-de-la-Seds教会で、司教が"venite ad calicem"(ラテン語)で祈りを捧げた後に聖体パンの代わりに配られました。ラテン語を"Venes toui i calissoùn"(プロヴァンス語)、"Venez tous aux calissons"(フランス語)に訳されたのが名前の由来。
カリソンのことを調べると奥が深く、あっという間に3時間近くが過ぎました・・・
確証のない由来を調べるのは時間が掛かるものですね。でも調べ始めると
面白く、止められないのです。
参考にしたフランス語のサイトのひとつをリンクしておきますので、興味のある方はどうぞ。
http://produitsingredients.suite101.fr/article.cfm/le_calisson_aux_origines_mysterieuses