Cotignac d'Orléansという名前のマルメロのゼリーです。
マルメロとはカリンに似た果物で、生で食すことはないようです。
マダムはマルメロをオーブンに丸のまま入れて、
じっくり30分くらいかけて焼き、その後半分に切って、蜂蜜などの甘みを加えて、スプーンで混ぜながら食べるとのことです。
このコティニャックというお菓子の歴史を紹介します。
オルレアンで作られているゼリーですが、オルレアンと聞くとジャンヌ・ダルクを思い出される方も多いのではないでしょうか?フランスが勝利したのは、彼女が戦い前夜にコティニャックをなめたからとも言われています。ということは中世の頃から存在していたのですね。
ふたの絵はジャンヌ・ダルクが馬に乗っている姿を描いたようです。
その後、François Ier のお気に入りのお菓子で、18世紀まで、王家の重要なお客様に贈られたようです。ルーブルにあるVéronèseの大きな絵、"Les Noces de Cana"にもこのゼリーが描かれています。お分かりになるでしょうか?テーブルの上に、小さな丸い木の入れ物に入ったものです。
以前からもみの木のようなépicéaと
呼ばれる木で作られた丸い容器に入っています。フランスではこの容器のふたをスプーン代わりにして食べるようです。
このゼリーは消化を助ける役割もあると昔からいわれ、「美味しいくすり」と
呼ばれたことも・・・
伝統のあるこんなお菓子をジャンヌ・ダルクにあやかって、勝利祈願のフランス土産にしてしまうっていうのはいかがでしょうか?